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オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

知覧で平和を考える

雑記

終戦記念日にアップしようとして、忘れていました。
GWに鹿児島の知覧に行った時の話です。

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知覧は鹿児島市から車で1時間ほどの場所にある、山間部にあります。
ブランド「知覧紅茶」など、日本では珍しく紅茶を生産していることでも有名ですが、
何といっても、第二次大戦中、特攻隊が飛び立った「特攻の里」として知られており、
数々の映画や小説の舞台*1にもなりました。

知覧特攻平和会館」は、鹿児島フリークの妹から「絶対行ったほうがいい」というお墨付きがあったスポットです。
しかし、戦争経験者の祖母がいたので、祖母に配慮するべきか迷いました。
思い切って祖母に相談したところ、
「私は気にしていない。」
という言葉に後押しされ、家族旅行に組み込みました。
www.chiran-tokkou.jp

ロビーには、天女が飛行機から特攻隊員を救い出す大きな絵が飾られ、
エンドレスで戦争の様子を記録したビデオが再生されています。
のっけから超重たいです。

入ってすぐの特攻機「隼」が飾られている部屋が、中央展示室です。
知覧から飛び立った隊員の遺影が、壁一面に飾られています。
皆、20代前半~30歳手前くらいの、まだ幼さが残る顔です。
遺書も丁寧な筆遣い、言葉遣いで書かれており、『若さに逸った血の気の多い若者』ではなく、教養のあるエリート集団だったんだと気づかされます。
特攻が行われた順にグループになって飾られているのですが、時代が下るにつれだんだん10代30代が混じってくるなど、人手不足が読み取れます。

中央展示室の奥には、西南戦争第二次世界大戦の軍服や生活の道具などが飾られた部屋や、
当時を知る語り部の話を聞く部屋などがあります。
外には、特攻隊員が最後の数日を過ごした「三角兵舎」などが再現されています。

戦闘機もレプリカ含め3機ほど展示されていますが、
戦闘機大好きな夫も、さすがにはしゃげるような雰囲気ではなかったです。
広島の原爆資料館は、ある種の執念というかおどろおどろしさがありますが、
知覧特攻平和会館は、静かな鎮魂の場所という印象を受けました。

資料館を見て最初に感じたのが、作戦の立案者に対する憤りでした。
「こんな将来有望な若者と貴重な資材を、無駄にして勿体ない。」

しかし、それは当事者ではない私たちの感覚だからであって、
当時は「何としてでも勝つ」という、必死の願いによる選択だったのでしょう。
日本を憂い、状況を知る若きエリートだったからこそ、「何かをせずにはいられない」という義憤を感じたかもしれません。

そういえば、自宅の倉庫を整理したとき、変色した砂糖を見つけたことがあります。
名古屋城が燃えた空襲を生き延びた祖母は「また使えるのでは」と捨てるのをためらいました。
歴史資料を読み解く上では、当時の価値観を知っていないと理解できないことがあると聞きます。
多くの変化があったとはいえ、私たちはたった60年前の日本人とですら感覚の共有ができないんですね。
とても空しいです。

資料を読み進めると、一人ひとり思いを持って任務に赴いたのだと分かり、
1,036名のうちの1人という「数」ではなく「人」が見えてきて、
そして、思いを伝えたい家族がいたということに思い至り
一層やるせなさを感じました。

最近、他所の国が、日本の領空や領海を侵犯する事件が頻発しています。
「威嚇射撃くらい、してやったらいいのに。」
と思っていましたが、果たしてこの中の1人に自分の子供がなったら……と想像し、
引き金を引かないよう努力している、政府や外交官、自衛隊の方々に深い感謝の念を覚えました。

現代の複雑すぎる兵器では、徴兵された素人が操作するのは無理とされますが、
そういう問題ではなく、
かといって、憲法改正が正しいとか間違っているとか、そういうことでもなく、
「何を以て幸せとするか」
という原点に立ち返るために、行ってよかったと思う場所でした。

小さな資料館なので、眺めるだけなら15分くらいで一通り見れてしまうと思います。
しかし、一つ一つについてじっくり見ていると、2時間ほど時間をとっても足りなかったです。

辛いので、また行きたいとは思えませんが、訪れる人が絶えない場所であってほしいです。

*1:知覧を舞台にした作品の例

俺は、君のためにこそ死ににいく [DVD]

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TOKKO-特攻- [DVD]

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ホタル [DVD]

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知覧からの手紙 (新潮文庫)

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知覧いのちの物語―「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメの生涯

知覧いのちの物語―「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメの生涯

特攻基地知覧 (角川文庫)

特攻基地知覧 (角川文庫)