オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

猛牛ライブ!これが本気の合意形成だ!

「猛牛ライブ」とは、柴田朋子さん百野あけみさん倉橋和世さん中野由里さんの4人の女性グループ、通称「猛牛女子」が主催する、ビジネススキルトレーニングの講座です。
今回の趣旨は、
「交渉力セミナーを受けても実践できない人へ。本気の合意形成見せてあげるわ!」
という内容でした。

自慢ではありませんが、私は会話(音声コミュニケーション)が苦手です。
だから今回、「お手本を見せてあげるから、来なさい!」というこのイベントにも、
「いや、学ぶ土台ができてないから、どうせ何も受け取れないよね……」
という気持ちで、参加を迷ってました。

でも、1人でもパワフルな女性が4人も集まるってどうなるの?!という物見遊山(失礼)な気持ちで出席しました。

内容

猛牛女子の皆さんが合意形成をする過程を観察する「フィッシュボウル(金魚鉢)形式」を行い、
その後各々のお悩みを聞く流れとなりました。

フィッシュボウル形式

題材は「クルーザー問題」です。
クルーザー問題とは、「物語の登場人物の好感度を、全員で順位付けしましょう。」という課題です。

物語はこちらを参照ください。
クルーザー物語 - 仏教を楽しむ


まずは各々の順位付けと理由(基準軸)を発表します。
それを倉橋さんが板書します。
開始5分で「バカップルが悪い」と合意する猛牛女子4人。
特に「余計なこと喋るんじゃねえ!」と、カップルの女に非難が集中します(私は女の子に1番同情しました 笑)

しかし、老人、船乗り、医者の順位づけで、喧々諤々の議論になります。
「ジジイなんもやってないじゃん!役にたたねぇな!」
「いや、爺ちゃんは立場上、どうすることもできないんじゃない?」
「あんたらマッチョが好きなだけでしょ?!」

1番優しそうだった百野さんが次第にべらんめぇ口調になり、
おっとりしてた中野さんが「君たち頑張りたまえ」と放り投げ、
柴田さんがチャチャを入れつつ、
倉橋さんが冷静に分析して板書する…

仕事至上主義の4人なので、だいたいの大筋は似ているけど、肝心なところで譲らない。
何もしていないジジイと、船乗りと医者どちらがマシかで、7割くらいの時間を使ってました。
しかしさすが猛牛女子。
30分の制限時間で、それぞれが納得できる結論に達しました。

印象的だったのは、
百野さんの
「いや、その2人は消去法で決めたから、順位を変えても構わないよ。」
と、自分の意見を手放したところです。
議論に熱中すると持論にこだわってしまいがちですが、「自分の意見を通すこと」ではなく、「合意すること」という一段階上の視点から見ることで、他人の意見を受け入れる余裕が出てくるんですね。

また、柴田さんの
「あら?待って。もしかして、おじいちゃんのイメージがみんなバラバラなんじゃないの?」
と、土台合わせができていないことに気づいたところも印象的でした。

差異を上手にピックアップしたり、背景にフォーカスしたり、上手に議論を深めていきました。
また、少数意見になっても、自分の背景などを説明し、説得したり納得する理由を提示してもらったりしていました。

お悩み相談会

「…って言っても、こういう場で意見が出せないからこそ、皆さん悩んでるのよね?
逆に聞きたいんだけど、どういう場なら、意見が出しやすいの?」
↑この柴田さんの問いかけで始まりましたが、
すごく上手いと思いました。「こういうことで悩んでる」と、いい切れる時は、半分くらい解決してるようなもんなので。

「意見を否定されると、自分を否定されているように感じてしまうので、怖くて言えません。」
「考えろ、と言われても、何を考えるべきかよくわかりません。」
など、色々な意見が出ました。

「多くの人は、トライが足りないのよ!
タフになってなんぼよ!
第一、意見と人格は別物よ。」
「想像力は試行錯誤から作られてるの!
事前に会の目的を把握してる?
いろんな人に根回しはしてる?
鏡の前で練習してる?
語彙を増やそうとしてる?
やるべきことをやっていても、それでも撃沈する時はするのよ。そういうものよ。」
「いつでも話してる訳じゃなくて、連絡だけの会議では、特に話さないこともあるわ。
発言が必要かどうか、判断してるわね。」
「キャラは、先に出したほうがいい。
いい子にしてて誤解したまま違う方向に突っ走るより、嫌な奴と思われるほうがマシ。」
など、猛牛語録が飛び出します。

「ビジネスにおいて『いい人』は、『どうでもいい人』か『都合のいい人』だからね!」
という言葉がひびきました。

終わってみて

濃い合意形成は、多数決ではなく、全員が納得できる結論を出すことがベストと思いました。
自分が逃げずに、かつメンバーを引かせずに、ゴールに向かう姿勢をキープすることは難しいけど、できれば価値ある会議になることは間違いないと思いました。

まだ腹落ちには遠いですが、良いお手本を見れました。