オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

【受講記録】「これからの乳幼児教育」に出席しました。

11/3に行われた、「これからの乳幼児教育〜学力を育む子育ては、0歳から〜」を受講しました。

講師は東海学園大学の木村 美知代教授です。
小学校教諭や幼稚園教諭を歴任され、地域の子育て支援にも積極的にかかわっていらっしゃいます。

内容は、2時間の中に大学の1年分?くらいの内容がギュギュッと詰め込まれており、理論あり実地の映像ありと、すごく濃い内容でした。
正直、濃すぎて受け取り切れない部分もありましたが、私が理解した範囲でお伝えします。

乳幼児期の位置付け

年齢的には、おっぱいを飲む0〜2歳を乳児、3〜5歳を幼児、小学生を学童期と区別します。

それぞれ、発達の目安が分かれていて、
乳児期は、家族との関わりの中で自我が芽生え、
幼児期は、友達を通して社会性の基礎を獲得する期間です。
文字を書いたり計算をしたりといった認知能力のベースとなる、非認知能力を養うための期間であるとも言えます。

非認知能力とは、IQ(知能)に関係なく、「意欲」「協調性」「粘り強さ」「忍耐力」「計画性」などの個人の特性です。

ヘックマンの著書など最近の教育論を読むと、IQよりもむしろ、この非認知能力が社会的成功に結びつきやすく、また、幼児期のしつけ、就学前教育に投資または質のよい介入をすることが、この非認知能力を高めるとされています。また、2020年からの大学入試でも、この非認知能力を評価の対象とすることが決まっています。

https://conobie.jp/article/4341

IT化により、ただ読み書きができるだけでは、生活ができない社会に突入しています。
人間として質の高い、つまり非認知能力が高い人材が求められています。
乳幼児期は、この非認知能力を高めることが、第一の課題であるといえます。

3歳児神話

「3つ子の魂百まで」というように、乳幼児期の関わりが、一生のベースになるということは、昔から知られています。
しかし、幼児期から学習塾に通わせたりということは、効果があるのでしょうか?
確かにこれらの認知能力を高める教育は、3歳くらいでIQがぐんと伸びます。
しかし、特に男の子においては8歳くらいで効果が薄れてしまうようです。
それよりも、基礎的な生活習慣を身につけたり、自然と触れ合うなかで自ら遊びを発見したり、多様な価値観をもつ大人と触れ合うことにより、非認知能力を伸ばしていったほうが、自分で学ぶ力を養い、自立した大人に育ちやすいという研究結果があります。

「生活を生活で生活へ」

この言葉は、明治時代の倉橋 惣三の言葉で、日本の幼稚園教育の基礎となっている考えかたです。

幼児のさながらの生活から出発し、生活を通して、それを本当の生活にしていくのが幼稚園の教育だ。

学習は、模倣から始まります。
歯磨きや挨拶、ままごとなど、親のまねから出発し、それを毎日やることで、基本的な生活習慣を身につけていきます。

身につけるためには、世の中の事についてまだ何も分からない赤ちゃんの頃から、繰り返し何度でも「こういうものだ」と刷り込んでいくことが大切です。

「躾は『仕付け糸』。
自分の規範を獲得する(自立)までの仮の規範。
子供自身のスタイルを確立したら不要になるけど、スタイルを作る上での規範になる。」
と、木村先生はおっしゃっていました。

主体性やレジリエンス(折れない心)は、訓練で育つ

「なぜ?どうして?(興味)」→「調べてみよう(好奇心)」→「そうか!(納得)」→「これは?(興味の追加)」
というプロセスをぐるぐる回すことで、こどもは「自分で成し遂げた!」という自信を得ることができ、次のステップへチャレンジする意欲をもつことができます。
その経験を通して、自主的にやり抜く力や、目先の事に惑わされず我慢する力が鍛えられていきます。

大人は、「どうしたらいいと思う?」という声がけや、気づいた事、自らやろうとしたことを、細かく褒めてあげることで、自己肯定感を 育ててあげるのが望ましいです。

逆に、最初から教えてしまうと、きっかけの「なぜ」や「やってみよう」が育たず、
「えー、教えてもらったことないから知らない!分からない!できない!」
と、拒否してしまったり、
「どうせ聞けばいい。できればいい。」
と、試行錯誤の過程を軽視する、レジリエンスの低い子供になってしまうそうです。

望ましい声かけ

子供がおもちゃの取り合いをしたら、
「とっちゃダメでしょ!?」
「貸してあげなさい!」
と、テンプレート的な回答を教えていませんか?
それは、子供の気持ちを無視していて、自尊心が育たないと、先生はおっしゃっていました。

「これで遊びたいんだね」
「まだ遊びたいんだね」
と、子供の気持ちを受け止め、
「じゃ、どうしたら貸してあげれる?」
と、とことん寄り添ってあげることが、自尊心を育むための親としての正しい姿勢だそうです。

ただし、やかんを触るなど『危ないこと』や、お友達を殴るなど、『人としてやってはいけないこと』は、ビシッと叱り、泣きつかれてもナアナアにしないことも必要です。
また、無条件で褒めたり甘やかすのは、2歳まで。
3歳頃になったら、少しずつ他者に目を向けられるよう、声がけを変えていくことが求められます。

まとめ

幼少期における、親や周りの接し方で、自己愛などが育まれるということがわかりました。
そのためには、より子供を観察し、しかし過剰に手出しはしないという難しい私自身のコントロールが必要なんだと考えます。
しかし、特に声かけの面において、やれる気がしません…

「気づいた時くらいでいいのよ!」と、おっしゃっていましたが、プレッシャーを感じます……

しかし、今聞いておいたことで、いわゆる「イヤイヤ期」も、少し客観的に見ることができそうです。

木村先生、そして、場を設けてくれた役所の皆様、ありがとうございました。