オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

育休でJUMP会に参加しました。他者と働く(1)

こんにちは。カーチャンです。
前田 恭子さん主催、柴田 朋子さん中心の「育休でJUMP会」に行ってきました。

「育休でJUMP会」は、育休取得中のママが、育児をちょっと休憩してビジネスマインドを磨く交流会です。

いつも読書会 + ランチグループコンサル という形で開催しています。
今度の課題図書は「他者と働く」、範囲は前書きと1章でした。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者:宇田川 元一
  • 出版社/メーカー: NewsPicksパブリッシング
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本
 

いつもは4~6人で開催しているのですが、今回は更に少人数。
私以外の方がほぼ初参加だったので、前田さんより「育休でJump!会」の目的から話が始まりました。
課題図書も新しくなったので、今回から参加された方は、丁度いいタイミングだったと思います。

全員0歳児づれで、ぐずってしまうこともあったけど、恙無く終えることができました。

「ggrks」ができない課題を前に

ロナルド・ハイフェッツは、
既知の方法で解決できる問題を「技術的問題(technical problem)」
既知の方法では一方的に解決できない問題を「適応課題(acaptive problem)」と定義しました。

ggrks(ググれカス)とは、「その問題は検索すれば解決できます。(低レベルな質問するなボケ)」という意味のネットスラングです。
技術的問題はまさに「ggrks」で一蹴できるような、検索したり適した用具を使えば、簡単に解決できる問題を指します。

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ググレカス

適応課題は、
全社システムの導入を他部署に納得させたり、
新製品を顧客にセールスするときだけでなく、
くたくたに疲れて帰ってきたときに、遊んでほしい子供をうまくいなして寝かしつけたり、
嫁姑問題だったり、ご近所問題だったり、PTAの役員間のイザコザだったりと、
公私のあちこちで顔を覗かせます。

適応課題の多くは、人間同士の関係性によってもたらされます
この本では、人間同士の関係性、つまり「組織」のなかで、関係性を新しく構築したり、改善するための、対話(dialog)の重要性とやり方について述べた本です。

育休明けに直面する適応課題

今回、私以外にも第一子を出産後職場復帰をしたママさんがいました。
「子供の体調不良などで職場に迷惑をかけてしまったり、仕事が終わらなくて保育園に迷惑をかける。
あちこち迷惑をかけてしまう中で、どのような関係性を築いていけばいいか。」
と、共通の問題を抱えていました。

子供を持つと、関係性の輪が血縁・地縁に大きく広がります。
見える世界が広がるのはいいことなのですが、関係性がこじれて面倒ごとも増えます。
中にはパートナーと見える世界が違いすぎて、夫婦仲がギクシャクするご家庭もあるようです。

適応課題を解決するためのこの本は、関係性が激増する育休明けには、うってつけでした。

相手の立場に立つこと = 相手のナラティヴを理解すること

ナラティヴ(narrative)とは、物語および、物語を産み出す解釈の枠組みや背景を指します。
元は臨床心理学の用語です。

折しも、小泉進次郎議員が育児休業を取得することになりました。
賛否両論飛び交っていますが、批判の中には、「国会議員が休むなんて非常識だ」という人や、
「2週間しか取らないなんて、ただのパフォーマンスだ」という人がいます。
同じ批判でも、上は「緊急事態に備えて、国会議員は休んではいけない」という意見が背後にあり、
下は「たった2週間だけでは、育児について何も分からないに違いない」という意見があります。

(他人の家のことをとやかく言うのが、そもそも野暮だとは思いますが)
言い合っても平行線なので、解決するには「落とし所」を見つける必要があります。
落とし所を見つけるためには、相手の立場にたち、相手のナラティヴの中から、自分の立場を見る必要があります。

その結果が
「今後の働き方改革のフラッグシップとして、育休を取る。」
「ただし、問題が起きた時に対処できるように、リモートで常に仕事ができる状態にしておく。」
という決定だったのでしょう。

適応課題を解決するには、泥臭い対話を通じて、相手を知り、受け入れることから始まります。
相手の大切なことを大切にすることが、対話の第一歩です。

たくさんのナラティヴ

柴田さん曰く、
「正義は1つとは限らない。また、正しかったか判断がつくまで、長い時間かかることもある。
こと女性は、これまで職場内でサポートが中心役割だったため、視野が限られがちで、
結婚・妊娠でキャリアが中断されがちだったため、長期的な視点も持ちにくかった。

産休・育休を通じて長く働ける環境は整ってきたものの、ロールモデルがまだ足りない。
この育休でJump!会を通じて、様々な繋がりを作り多様なナラティヴに接することで、視野を広げてもらえれば。」
と言っていました。

参加者のある人も、
「入社してからずっと同じ企業に勤めていたため、社の風土に染まり切っていたってことをここで初めて気づいた。」
とおっしゃっていました。

インド、中国、ベトナム、ブラジルと、中部圏でも外国出身の方も増え、いよいよダイバーシティ化が加速しつつあります。
それとともにナラティヴも多様化し、軋轢が増えています。

まだ1章ですが、これからの時代の必読書になる予感を感じます。

固い組織論の本でしたが、日本人の著者が書いていて(おまけに字も大きく行間も空いている 笑)、前回の「人を助けるとはどういうことか」に比べてはるかに読みやすい本でした。
okan89-blog.hatenablog.com

「人を助けるとはどういうことか」も組織論の話でしたが、同じことを言っていることもあり、ちょっと視点が違ったりする部分もあるようです。

4月で復帰予定ではありますが、育休でJUMP!会の皆様と読めるところまで読んでいきたいです。


とても学びが多い場だし、育休仲間という社内では得難いつながりを得られますので、ぜひ育休中の方は参加してみてください。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者:宇田川 元一
  • 出版社/メーカー: NewsPicksパブリッシング
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本