オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

雲南茶を作る会に参加しました。

行く予定だったイベントが中止になったので、急遽、吹上の中国茶屋「茶心居」さんのイベントに参加しました。

講師は後藤とも子さん。
中国の国家資格「高級品茶藝師」「高級評茶師」をお持ちのかたです。
世界一周するつもりが、立ち寄った雲南プーアル茶に足止めをくらい、そのまま2年半留まってしまったという経歴の持ち主です。

雲南は、ベトナムカンボジアなどと国境を接する、中国の奥地(失礼)です。
三國志で、孔明に7度捕らえられた孟獲が治めていた「南蛮国」は、雲南あたりと言われています。
製茶が盛んで、特にプーアル茶が有名です。

今回は、プーアル茶の生餅茶(べいちゃ)を作ります。

↑ちょっといいとこの中華料理店に飾ってある、こういうフリスビーみたいなやつです。
こういう円盤の形に茶葉を固めたものを餅茶と呼び、一般的なパラパラの状態を散茶(さんちゃ)と呼びます。

生茶」と聞くと、パンダのパペットが思い浮かびますが、
プーアル茶においては、コウジカビで人工的に発酵させる「熟茶」との対比で、茶葉に残った酵素や空間に漂う微生物の力で自然に熟成するものを指します。
(坪内さんは、「空気中の麹菌で発酵が進む」とおっしゃっていましたが、少し疑問です。
味噌造りの時、味噌屋の社長さんが
「発酵はスタートダッシュが大事。
目的の菌がいち早く【陣取り合戦】に勝てば、他の菌は繁殖しにくくなる。」
と言っていました。
麹菌を大量に混ぜ、更に塩分で他の菌を防いでいた味噌ですらカビまみれになったのに、そんなに都合よく定住するのかな??)
参考:プーアル茶についてみんなが知りたいこと | お茶の専門店HOJO

日本では熟茶がメジャーですが、本場・雲南では生茶が好まれるそうです。

現地の茶作りビデオ

先生が撮ったホームビデオを鑑賞しながら、流れの確認をしました。
フル中国語の上に、液晶の反射でほぼ見えず……(^_^;

「『蒸すのは30秒でいい』って言ってたのに、3分近く蒸してるんですよ……
名前な由来も人によって違うことがあるし、
この適当っぷりが中国ですよね。」
と、笑って言っていたのが印象的でした。

茶作りワーク

易武山産の「雲南大葉(だいよう)種」の晒乾生茶を使います。
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茶葉をお盆に開けてトントンと叩くと、大きなものは上に、折れた小さいものは下に移動します。

大きなものの方を外側にしたほうが美しく作れるので、上の方の一部をとりおき、大きいもの→細かいものの順に、金網を敷いた筒に詰めていきます。

最後にラベルを載せ、ラベルのストッパーになるように周りに残しておいた大きい茶葉をかけます。
この状態で湯気のでた鍋の上に置いて、少し蒸して柔らかくします。

フワーっと甘みのあるいい匂い。
円筒の中の茶葉は、鰹節みたいに湯気を吸ってヘナヘナと柔らかくなっていきます。

蒸しあがったら、専用の綿の袋をかけ、ひっくり返します。
茶葉が袋の方に寄ったら、筒の中に手を入れ、上からギュギュッと金網ごと押さえつけて塊にします。

塊になったら、そーっと筒を外します。

口をねじってとめます。
この捻ったところが、餅茶の「へそ」になります。

上から踏んで、更に圧力を加えます。

こんなエクササイズ道具ありましたね。

ビデオでは、均一に体重がかかるように先が丸くなった円筒形の石臼(一個何キロとか何とか説明していたようですが、聞き取れませんでした。)を使っていました。
コンタクトレンズのように膨らんだ形は、石の丸みでできるそうです。

割らないように袋からそーっと取り出し、乾燥させます。

紙に包んだら、完成です。

すぐに飲むこともできますが、
10年、20年と熟成させるごとに、角がとれコクが出てきます。
新築や出産など、記念となる年に作って、20年後に開けるという楽しみ方をする方もいるんだとか。

今では足で踏む代わりにプレス機を使って整形することが多いようです。
しかし、作業は早いけど葉が潰れて粉々になり、カチカチに締まってしまうそうです。
手(足?)作業で圧緊工程を行ったものを「石磨(シーモー:石臼のこと)手工」と呼び、
石磨の餅茶は機械より柔らかく、ナイフを入れて崩す時も、ボロボロにならずぺりぺりと剥がれていくような感じで削れるそうです。

そもそも餅茶を買ったことがないので、ナイフで削る作業もやったことがありません。
飲むのが楽しみです!

アフタートーク

景邁山産の2014年の散茶(左)と2011年産の餅茶(右)をいただきました。
産地も樹の品種も同じですが、熟成時期と製茶形式が異なります。
塊から剥がした右は、ポテトチップスみたいになっているのがわかります。

20年も30年も熟成させるものなので、いずれもまだまだ「若い」お茶です。
プーアルというと、色も味も墨汁のような感じですが、いただいた2つはどちらもさらっとした甘みがあり、色も浅いです。

2011年の方が、若干色が濃く、さらっとしていますが、独特の墨の香りがほのかにしてきています。
2014年の方が、紅茶や烏龍茶に似た、ねっとりと甘い香りがしました。
この残り香は「回甘」というそうです。

「本当は、散茶と餅茶で発酵の仕方が違うから、経年変化以上の違いが生まれて、比べにくいんですけどね。
散茶はすぐ飲めるのがメリット。
でも、長期保存するなら、餅茶にしたほうがまろやかになります。」
と、後藤さんはおっしゃっていました。
(なぜ固めると熟成が変わるのか?という、お茶専門店による解説→プーアル茶の圧縮と熟成の深い関係 | お茶の専門店HOJO

雲南の茶園事情ついても、色々伺うことができました。

砕けていない、大きい茶葉を使った方が品質がよいのですが、中には外だけ品質のいい茶葉を使い、中には砕けたカスを詰める不届きな製茶工場もあるんだとか!
なので、(傷をつけたくない超高級品を除いて)「割って中を見せてください」と頼んで、きちんと中まで詰まっているか確認するのが買い付けのコツなんだとか。

また、向こうではお茶を買う時には、茶問屋ではなく直接茶園に予約をして買うそうなので、
雲南のお土産に、餅茶買お❤️」
としても、あまりいいものはないらしいです……

まとめ

色々な話を聞けて、時間があっという間でした。
柴田さんのところで出会った人の友達と偶然お友達になったり、とても刺激的な会でした。
(名古屋狭い。悪いことはできない……)

そして、改めてオーナーの坪内さん、やけに手際がいいなと思ったら、現地などで何度か作ったことがあるそうです!
この方はなんでもやったことあるんだなぁ……と、びっくり。

器具も専用のものが必要だし、そもそも茶葉の仕入れ方も分からないから、本当に貴重な機会でした。
行けなかったイベントへの心残りもありますが、滑り込みで参加できて本当に良かった。


今回の講師 後藤とも子さんは、来春、雲南茶専門のネットショップ「彩雲」を開店されるそうです。
彩雲(中国、雲南のお茶と工芸品)
(検索すると飛行機ばっかり出てくる、と、ぼやいていました。
艦○れの被害がここに。)

そして、いつも濃いイベントを企画してくださる、茶心居の坪内さん、ありがとうございました。
名古屋のおいしい中国茶館「茶心居」

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2/18 17:00〜 お世話になっているマルハチ会中国茶部で「春のお茶会」を企画しています。
今回作ったお茶を持って乱入しようと思っているので、熟茶とは全く違う生茶の出来栄えが気になる方は、ぜひお越しください。
美味しいお茶を一緒に飲みましょう。

詳細は、下記ページをお読みください。


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