オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

読後メモ「胎児のはなし」

胎児のはなし

胎児のはなし

Twitterかどこかで流れてきて、
「そういえば、赤ちゃんについて知らないな」と思ったので手に取りました。

長崎大学病院長の増崎 英明さんと、
ジャーナリストの最相 葉月さんの、
周産期医療に関する研究をテーマにした対談です。

超音波検診や遺伝子検査など、ここ35年の医療技術の進歩で、ブラックボックスだった胎児の世界が「見える」ようになりました。
それに伴い、不妊治療で子供を授かったカップルや、先天性の病気を早期に発見・治療できた子供たちが沢山います。

しかし、まだまだ生命の起源は、分からないことが多く、
「なぜつわりが起こるのか?」
「なぜ40週前後で陣痛がおこるのか?」
など、未解明な部分も多いことが、書かれています。

また、デザイナーズチャイルドや代理母など、新しい技術に対する社会への課題も示唆されています。

「胎児を通じて、父親のDNAが母親に移動している」というのも驚きですし、
最新の胎児医療の話では
「気管が癒着している胎児に対して、帝王切開中に頭だけ出して気管を切開してから娩出する」
という、非常に高度な手術についてのトピックにSFみを感じました。

気管が癒着している場合、出産して胎盤がなくなると窒息死してしまうので、胎盤にくっつけたまま治療をするそうです……

どちらかというと科学的で「固い」本なので、
妊娠や育児に役立つというベクトルではなく、
NHKスペシャルの「人体」シリーズや、往年の「たけしの万物創世記」が好きだった方には刺さる内容だと思います。

たけしの万物創世紀―いのちの誕生

たけしの万物創世紀―いのちの誕生