オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

育休でJUMP会に参加しました。

こんにちは。カーチャンです。
前月に引き続き、柴田 朋子さんの「育休でJUMP会」に行ってきました。

「育休でJUMP会」は、育休取得中のママが、育児をちょっと休憩してビジネスマインドを磨く交流会です。
前月は、有志の方が主催してくれたのですが、
今回は本家前田 恭子さん主催です。

いつも読書会 + ランチグループコンサル という形でやっていて、今回はエドガー・H・シャインの「人を助けるということはどういうことか」の 第3〜4章が課題図書でした。

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

前回の様子はこちら

「人を助けるということはどういうことか」概略

原題は「Helping」なのに、邦題は長いですね。

この本は、支援すること・されることを通して、よい協力関係を構築するための原則が書かれています。

著者のエドガー・シャインは、キャリア研究や組織開発だけでなく、陸軍で洗脳(マインドコントロール)研究などに携わってきた、「人を操る研究の第一人者」とでも言うべき存在です。

怖っ!

そんなシャインですら、パソコン・インストラクターの説明が分からずイライラし、乳がんで闘病していた奥様からは役立たず扱いされたというのは、面白いですね。

本書では、そんな数々のエピソードを交えながら、「人が助け合うとは?」という原則をまとめた本になっています。

今回の読書会の範囲では、支援してもらう側(クライアント、依頼者)と支援する側、それぞれでやらかしがちなことと、その原因について書いてありました。

他人を適切に支援することは難しい

うちの長男の目下の課題はトイレトレーニングです。
母親の私は、声かけしたり粗相したパンツを洗ったりといったサポートをしています。

「他人がなにかを達成できるように、支援し導く」って、本当に難しいと、アンモニア臭がするパンツを洗いながら日々痛感しています。
でも、おもらしした子供を激詰めしてる自分も、何度怒られても書類のチェックが甘かったり、納期ぶっちぎったりしてるんですよね。 (・ω<) テヘペロ

自分自身すらやろうと思ってもできないのに、他人をなんとかするなんて基本無理ゲーです。
支援される側にも都合やプライドあるのだから、こっちの言う通り動く訳ないし、
逆に全面的に依存されても、その人の成長機会がなくなります。

支援を受ける側が課題を自分ごととして捉え、自ら目標に進もうとする意思が支援の軸ですし、
支援者はあくまでも支援対象の意思を尊重して、注意深く観察し、周りの状況も考えつつ過不足なくサポートすることが必要になります。

そのためには、お互いの信頼関係が必要ですし、
折に触れて、関係性がおかしくなってないか、ダメパターン(罠)にハマってないか、気を配っていく必要があります。

考えること沢山すぎて、正直面倒臭いんだけど、やらないと拗れて更に面倒なことになるんですよねー

弱い立場は「依頼力」を高めるチャンス

人を動かしてバリバリ働いていたキャリアウーマンでも、
産休中は赤ちゃんのお世話という支援する側となり、支援相手に振り回されることになります。
また、復帰すると、子供の都合で突発年休をとるなど「制限のある労働者」として、支援される側の立ち位置を余儀なくされます。

今までやれていたことができなくて、歯がゆい思いをしたり、
まだ頼りない新人や忙しそうな夫・同僚に頼らざるを得なくて、情けない思いをする場面もあるでしょう。
また、通常は支援する側が立場が上で主導権を握れるはずなのに、子供に振り回されたり、
産休前に上から指導していた部下に、復帰後に頭を下げることになったりと、
立場が不安定になりがちです。

無理して背追い込みすぎて、炎上させて、燃え尽きてドロップアウトするワーママは、多いと聞きます。
私も1人目の復帰後、他の人と対等に仕事がしたいと鬱憤がたまるあまり、業務がコントロールできなくなっていろんな人に迷惑をかけました。

柴田さん曰く、
プレイヤーとして動けない時は、中長期の視点でキャリアを考える機会です。
「今は依頼する練習をする時」と気持ちを切り替えて、一歩離れた立場から全体がうまく回るにはどうすればいいか考えるなど、マネジメントやリーダーシップの下地を作ればいい、と、アドバイスがありました。

本当に支援すべきことは、こっちも向こうも分かってない

システム業界に入った時、
「ユーザー(クライアント)を過信するな」
と忠告を受けました。
ヒアリングを元に実装したのに、言われたことが二転三転して雪だるま式に工数が膨れ上がったうえ、使いにくくメンテナンスが面倒なソフトになってしまったことがあります。

支援を求めるクライアントは、
本当にやってほしいことを言わなかったり(相談じゃなくて自慢したかったんじゃん!とかね)、
問題認識がトンチンカンだったり、
話を詰めているうちに要求が変わることが稀によくあります。

本には、相手の言語・非言語をありのまま受け止め、5章の「控えめな問い」で、本当の問題領域を共有することが大切だと書いてありました。

下心はすぐバレる

依頼する時、少しでも気持ちよくなってほしくて大げさに褒めたり下手に出すぎたり誘導尋問したりしがちです。
そんな下心を、相手はすぐに見ぬきます。

子育てでは、「立てば歩めの親心」のとおり、子供が目標をクリアするたびに、つい次のステップへと過剰な期待を持ってしまいます。
子供も親の期待を敏感に感じ取り、無理に頑張ったり、わざと反発します。

柴田さんは、
「相手の更なる成長を望むのは、応援する側として仕方がない。でも、自分の願望や不安を自覚して、相手の願望や状態と切り分けるべき。」
と、仰っていました。

ありがちダメパターンを知る

仕事でスケジュールがヤバくなった時に、つい強がって「大丈夫です!」と言ってしまった経験はあるでしょうか。

人は誰しも、相手と対等な立場でいたかったり、依頼するにしても行為を正当化したいものです。
支援相手の信頼を試したり、反発したり、無力感で萎縮したり、依存を正当化しようとします。
それは支援する行為や、依頼者の成長の障害となります。

介護現場で、利用者が介助者におもねったり、逆に小間使いのように指示するのはそれが問題なのかも。

逆に支援者側にも、支援の妨げとなる心理効果が働きます。

例えば、「ありがとう」と感謝されることは、多くの場合とても嬉しいことです。
人間が社会的生物として獲得した機能なのですが、
行き過ぎた場合、「メサイア・コンプレックス」という、他者を助けたという自己有用感で自尊心を満たそうとする、不健全な心理状態になります。

普段は人材開発業をしている恭子さんも
「やってたわ。グサグサ刺さる。」
と、頭を抱えていました。

まとめ

本書の英語のサブタイトルは、「どうやって支援を依頼し、与え、受け取るべきか」です。

邦訳のほうは、3つの行為が「協力関係」とまとめられていて、あたかも「支援する側」が読めばいいような印象になっていますが、
「スマートに依頼する方法」って、なかなかお目にかからない気がします。(多分「依頼学」なんて分野がこの世のどこかにはあるんでしょうけど。)

私は依頼するのが苦手で、誰に何と言ってお願いすればいいか悩んでいるうちに焦げ付かせるタイプなので、これを機にちゃんと学びたいです。

恭子さん曰く、「1人で読むにはとてもしんどい本」であり、私も買ったものの読むのを挫折して、「捨てる本入れ」に放り込んでいたので、
「気になるけど読み切れるか自信がない」という方は、育休でJUMP!会にぜひ参加してみてください。

告知や最新情報は、前田 恭子さんのブログに記載されます。
受講にあたっての注意も書かれていますので、チェックしてくださいね。

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

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◼️柴田さんのブログ

◼️前田さんのブログ

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