タイバニカフェでコンテンツ産業について考えてみた。
栄のシダックスの1Fに「アニON Station」という一室があるのをご存知でしょうか?
「アニメで流れる歌や、キャラクターをイメージした料理を楽しみながら、ファン同士が交流する場」というコンセプトのカフェ&バーです。
アニソン好きが集うアニソンバー・カフェ「アニON(アニオン)」
期間ごとにテーマとなる作品が変わり、人気作品がテーマの時には、予約が取れないほどの盛況を見せます。
今回のテーマは「Tiger & Bunny(タイバニ)」。
5年前の作品ながら、未だに根強い人気を持つヒーロー物アニメです。
冴えないオジさんヒーローと意識高い系の若者ヒーローの2人が、ぶつかりながらも相棒として認め合っていくというストーリーは、王道ながらも毎週ハラハラのちスッキリで引き込まれます。
今回、主腐(オタク主婦)友達に誘われて行ってきました。
席に着くと、チケットのようなものを渡されます。
このチケットを使って、聞きたい劇中歌やアニメのダイジェストシーンをDJにリクエストします。
キャラクターをイメージしたフードやドリンク、グッズも販売していて、その時にもチケットがもらえます。
席には、色が変わるサイリウムが置かれ、推しキャラ(好きなキャラクター)のイメージカラーにセットして振ることができます。
相席した見ず知らずの方ともオタクトークで盛り上がり、とても楽しかったです。
その方は、最近ハマったばかりで、
「5年前の私はなんでスルーしてたんだ!」
と叫びながら、ネットオークションなどで過去のグッズを発掘する日々を送っているそうです。
オタク文化が変わりつつある
最近は、グッズの嵐もさることながら、このようなアニメとタイアップしたカフェや、舞台化が多いです。
漫画や小説、ゲームなどの原作から火がつき、
アニメ化され
オモチャやクリアファイルなどのグッズ、DVDが展開され、
スピンオフなど派生作品が作られ、
劇場版が作られる流れは、概ね変わっていません。
しかし、テレホンカードやペン、DVD、設定資料集ぐらいだったグッズも、タンブラーやフェイスタオル、キャラをイメージしたメガネなんていうものもあり、種類が爆発的に増えています。
また、アニメ映画に変わり、実写化、舞台化やコラボカフェ、展覧会なども各地で開催されるようになりました。
ファンも、お相撲や芝居のタニマチさん(後援会)のような認識で、公式にお金を渡すことが作品やキャラクターの応援になると信じ、公式コンテンツにお金を使うことを「お布施」なんて言うことも。
そして、時にファン同士で愛の深さ(≒お布施の額)を比べあっている様子も見受けられます。
変化の背景についての考察
ファンの高年齢化
初代ガンダムの放映が1980年。
恐ろしいことに、実に35年ほど前です。
当時の15歳も、もはや50歳。Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
デジタル・ネイティヴではありませんが、今のワカモノたちは、オタク文化が生まれた時からありました。
ここ数年ぐらいでオタクもすっかり市民権を得たように思います。
同時に、「いい年になっても楽しみたい!」という声も現れているように思います。
グッズも、キャラをイメージした配色だけでアピールする(昔より)さりげないグッズや、高価なフィギュアなどでも売れるようになり、
ごっこあそびの極みともとれる、プチ・ディズニーのようなアニメカフェができています。
収益構造の変化
パソコンやインターネットが発達したことで、今では海賊版がすぐに出てしまいます。
そのため、テレビで儲けにくくなっているようです。
舞台などの「体験型」が増えた背景は、このような情勢が背景にあると考えます。
※舞台化は、ライブビューイング(離れた場所の生公演を、映画館などでリアルタイムに視聴すること)が普及したという事情もありそうです。
グッズも、オークションが発達したことで、「転売屋(買い占めて高く売る人)」が横行し問題となっている反面、まったく売れない場合は在庫となるため大きなリスクとしてのしかかります。
オンデマンド印刷の発達
オンデマンド印刷(デジタル印刷)とは、版を作らず、パソコンから直接プリンターで印刷することです。
簡単に言えば新聞紙と家庭用プリンターの差だと思ってください。
小ロットから印刷でき、いろいろなものに対して印刷ができるようになったので、様々なグッズを少しずつ作れるようになりました。
また立体造形でも、3Dプリンタの普及で、フィギュアがぐっとお値打ちになりました。
女オタクは金遣いが荒い?
今回参加して気になったのは、タイバニカフェに参加していたのがほとんど女性ばかりだったということです。
また、舞台化も、「弱虫ペダル」や「刀剣乱舞」など、女性に人気の作品ばかりです
男性は、AKBなどのアイドルオタクの過熱ぶりが目に付きますが、あまりキーホルダーをジャラジャラさせているような人たちは居ませんね。
痛バッグ - Google 検索
男性オタク特有の文化として「痛車」ファンはいますけど。
痛車 - Google 検索
同じコンテンツ産業でも、男女差ができているのは、面白いところです。
コミケでも、男女の分布の違いが表れていることが分かります。
男オタクはどんなコンテンツをどのように消費しているのか?
興味は尽きません。
ともあれ
今の時代を、大人になってから迎えることができてよかった。
お小遣いが少ないあの頃だったら、きっと泣いてた。
社会人、万歳!
自由に使えるお金、万歳!!