オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

病まないメンタルとは?メンタルヘルスに関する講座を受けて来ました。

土曜日に⑧キャリア研究部のイベント「メンタルヘルスってなんだろう〜心の健康の保ち方」を受講しました。

私の業界は鬱で休職・復帰される方がチラホラいます。
自分が病まないために、また、他人を追い詰めないために、何ができるかと思い、受講しました。

講師は、精神保健福祉士藤野 裕通さんで、これまで某大手デパートで人事や復職についてのカウンセリングを行われて来た方です。
ジャングル・クルーズのお兄さんみたいなテンションで、笑いあり気づきありの、楽しい2時間でした。

そもそもメンタル不調とは

藤野さん曰く、メンタルとは「心の器 = 余裕」のようなものであるといいます。

様々な不調や負の気持ちが器の中に入りこみ、許容量を超えてしまうと、鬱などのメンタル不調になってしまうと考えます。

入るものの性質は、大きく分けて2つ。
嫌な気持ちを引き起こした「出来事」と、
言葉では言い表せない、「気持ち」です。

余裕のある時は聞き流せる何気ない軽口でも、嫌なことが度重なって虫の居所が悪かったり、疲れていて余裕がない状態になると、
ついブチ切れてしまいますよね。*1

この嫌な出来事や気持ちをいかに入れないか、入れた後いかに早くかつ健全に出すかが、心の器を溢れさせない一番のポイントです。

出来事と気分の違い

講座では、出来事を「固体」で、気分を「液体」で例えていました。
出来事は、「これ」と明確に指し示すことができます。
気分は液体のようにつかみどころがありません。

また、出来事は時間が経てば風化して忘れていきますが、
気分は時間がたつほど色んな要素が混ざり合い、ドロドロになって手が付けにくくなってしまいます。

酒がいっぱいのコップに交互にコインを落としていく、賭け事のシーンが、ジョジョ3部にありました。
固体のコインだけなら、うまいこと積み上げれば、多少コップのフチを超えても落とさずに済みますが、
液体の水は、表面張力が限界になっている状態から、水かコインが入ってくると溢れてしまいます。

ペットを失うなど、心を揺さぶる出来事が起こっても、時間が経てばある程度は気持ちの整理がついて、立ち直ることができます。
しかし、センシティブな時期にかけられた何気ない言葉や、疲労、孤独感などに侵されると、心のバランスを崩してしまいがちです。

ショックな出来事を受け止めないために

ショックな出来事が降りかからないように、嫌なことが起こる場を避けたり、起きないように改善するというのも賢明な判断です。
しかし、そうは言っていられない時があります。

そういう場合は、「リフレーミング」を行うことで、紐づける気持ちを「プラスの気持ち」に持っていける可能性があります。

例えば、上司に叱られた時も、
「ああ、成長の道を示してくれたんだ。」
と思えば、少しは心が穏やかになります。
物事を捉える枠組み(フレーム)を再定義し直す(リ・フレーム)ことをリフレーミングと呼びます。

気分を改善するために

解消の手段は人により様々なので、まだ気持ちに余裕があるときに、色々見つけておくといいと思います。

ママ友など、同じ境遇や価値観を持つ仲間と共有したり、
とことんぐっすり寝たり、贅沢にマッサージを受けたりと、
色んなやり方があるので、試してみてください。

また、気分の中で一番厄介な「無力感」については、自分ができているところを意識的に再注目するという手法が効果的だそうです。

ワークを通じて、普段自分たちが短所に目が行きがちなことを再認識しました。

心の器を広げるには

心の器は、持って生まれた性格がベースになりますが、
様々な経験を積むことで、大きくすることができるといいます。
体調でも器の大きさは変わってくるので、なるべくベストコンディションを保っていきたいですね。

コミュニケーションについて

ストレスを感じる場面として、「コミュニケーションの行き違い」がよく挙がります。
後半は、ワークを通じて、認知の歪みやコミュニケーションのポイントについて学びました。

情報の伝達能力は、
「トピックス全体の中で自分が伝えたい内容の割合」×「自分が表現できた割合」 = 「トピックス全体に対して、自分から情報発信できた割合」(A)
「自分から情報発信できた割合」×「相手が受け取れた割合」(B) = 「トピックス全体に対して、相手が受け取れた割合」
となります。
ある研究レポートでは、概ね(A)は24%、(B)は68%ほどだそうです。
壊れるほど愛しても1/3どころか1割強しか伝わらないのが、証明されました。
SIAM SHADEは正しい。*2

準備をしたり、話術を磨くのも大切だけど、相手が話を聞きやすい状況・マインドに持っていくのも大事だよ、と、言われました。

座談会

座談会では、同僚や友人など、自分の周りにいるメンヘラさん(メンタルヘルスを崩してる人)への接し方が中心でした。

うつ治療中、復帰後の人について

鬱の人は、気力が枯れている状態なので、なるべくそっとしておいてあげて、気力の回復に努めてもらうことが基本方針です。

鬱になると、人に会ったり電話を受けることすら負担になるので、避けるべきですが、
どうしてもという時には、最低限のコンタクトを取ってもいいんじゃないか?
というのが、藤野さんの持論だそうです。

ただし、気を使われたことに対して、余計に恐縮させてしまうことがあるので、細かい声かけの仕方は聞いてください、との事でした。

復職後の人に対しても、いきなりガツンとかますとまた傷が開いてしまいます。
ただ、腫れ物のように扱うと余計に孤独感を与えてしまうので、
そこは関係を構築しながら、相手の繊細なポイントを刺激しないように接することが大切です。

無力感に苛まれている後輩について

無力感とは、「自分は何もできない」という思い込みから生まれます。

なので、「できているよ」と、明示し、褒めてあげると、自分で確認できるようになります。

ポイントは、こまめに回数を多く、主語は自分に(「(お前は)よくやった!」ではなく「(私は)助かった!」)にするだそうです。
3ヶ月間やって改善しなかったら、改めて連絡ください、と、藤野さんは言っていました。

職場がギスギスしている

組織内が明確に対立している時は、既に手遅れなことが多いようです。
そういう時は、更に上司や総務部などの管理部門など、組織の一歩外から手を加える必要があります。

感想

同僚が云々というより、「まず、自分が病まないこと、病む兆候を見つけて、早めに手を打つこと」が大事だな、と思いました。

また、育児で鬱々としているときに、ママ友と話すと気がまぎれる理由もよくわかりました。

私見ですが、心の器について、形が人それぞれ違うんだろうな、と思いました。
私の器はビーカーではなく三角フラスコ型なので、追い詰められると一気に水位があがります。
相手の器の形や、入るものの大きさを把握しながらコミュニケーションを取らないと、知らない間に相手を傷つけてしまいそうです。

また、エナジードリンクは、一時的に器(疲労の許容量)を大きくするけど、
急速に器が拡張・収縮することで、その分心と体にダメージを与えるんだろうな、と解釈しました。
職場の自販機に、レッドブルオロナミンC、カフェイン増強コーヒーがありますが、頼るのは本当にヤバい時だけにしようと誓いました。

藤野さんの話はすごく楽しかったし、同じ宅の方も楽しい人たちだったので、とても有意義な時間を過ごせました。

企画してくれたガッキーや藤野さん、ありがとうございました。

関連

藤野さんホームページ

http://hfujino.xsrv.jp/wp/

マルハチ会ホームページ

http://maru8-kai.net
https://m.facebook.com/maru8kai/
マルハチ会では、この他にも様々なイベントや講座を行なっています。

イベント情報は、Facebookで公開していますので、ぜひフォローやいいねをお願いいたします。

*1:本題とずれますが、男女の怒りの違いについて。

*2:

1/3の純情な感情

1/3の純情な感情