オカンハック

母親目線での「便利!」を備忘録的に書き溜めていこうと思います。

育休でJUMP会に参加しました。他者と働く(2)

こんにちは。カーチャンです。
前田 恭子さん主催、柴田 朋子さん中心の「育休でJUMP会」に行ってきました。

「育休でJUMP会」は、育休取得中のママが、育児をちょっと休憩してビジネスマインドを磨く交流会です。

いつも読書会 + ランチグループコンサル という形で開催しています。
今度の課題図書は「他者と働く」、範囲は2~3章でした。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者:宇田川 元一
  • 出版社/メーカー: NewsPicksパブリッシング
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本
 

「キサマ等の居る場所は、既に我々が30年前に通過した場所だッッ」

今回は、育休中のパパがお子さんと一緒に参加していました。
育休でJUMP!会の卒業生の方が同じ職場にいて、「どうせ育休取るなら、行っちゃいなよ!」と背中を押してくれたそうです。

某大企業にお勤めの方で、「見える化!数字!PDCA!」という企業文化が言葉の端から滲み出ていて、「デキる男」というオーラがありました。
ただ、今まで培ってきた企業人としての行動様式と、育児に求められているものとの間にギャップがあって苦労していることとか
男性育休を推進する"お上"と、まだ変化中の段階である"現場"や"実社会"の間の価値観のズレなども感じているようで、
ちょっとお疲れが溜まっているように見受けられました。
自分も一人目の時に環境の変化に戸惑いましたが、
パパ育休の場合、「ママに最適化された育児環境*1」を乗り越えなければならないので更にお辛いですよね。

女性の育休が導入されたての時代を駆け抜けてきた柴田さんにとっては、更に思うところがあったようで
今のパパたちがいる場所は、既に私たち育休第一世代が30年前に通った場所よ!
と、熱く語っていらっしゃる姿に、烈海王@グラップラー刃牙の名言を重ねてしまいました。(小並感)

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板垣 恵介作「グラップラー刃牙」より 烈海王
(ただ、授乳室の男性立ち入り禁止の件は、乳房を見にくる変態を阻止するためご理解いただきたいな、と思いました。
多くの場合、調乳用のお湯は授乳室に入らなくてもベビーケアルームにありますし、
ミルクだったら隠す必要がないので、授乳室に入らずそれこそファミレスの座席でもあげてしまいます。)

ちなみに、最近になってワークライフバランスがどうのだの政府が言い出した理由が、
働き盛りのミドルエイジ男性が介護離職などで働けなくて困っていることが背景にあるからである、と聞いて、
ちょっぴり白目剥きそうになりました。

へーー、男性が困ったらやるんだーーー(黒)
あんまり生命に関係なさそうなバイアグラがさくっと承認されて
ピルや緊急避妊薬の承認は全然進まない国だもんねーーーー
だよねーーー

どんな深さまでどれくらいの時間をかけるべきか

今回の範囲は、「ナラティヴの溝を埋めるために」という内容でした。

自分のナラティブを脇に置いて、何が溝であるか見極め、
相手を観察して相手のナラティブを把握し、
相手から自分がどんなふうに見えるのか、どうしたら新しい関係性になるのか考え、
実際に行動する
という、対話の4段階のプロセスについて書いてありました。

折しも、新型コロナウイルスの件で、岩田健太郎 神戸大学教授の告発と、それに対する高山義浩医師の反論が話題になっています。 
厚労省の技術参与として、ダイヤモンド・プリンセス号の対策にあたっていた高山医師は、
「『船には、医師だけでなく、省庁や警察、消防、船のクルーなど、いろいろな人たちがいます。信頼関係を築く所から初めてください。』
と、約束したのですが、反故にされました。」
というような内容をFacebookに投稿されていました。*2

おお、これこそナラティブの溝!と思ったのですが、
では、この問題、果して岩田教授がブっかまさなかったらどうなっていたんだろう?という話になりました。
伝染病を防げるかどうかというリミットが迫る中、悠長に関係づくりをしている余裕があったのか?
では、緊急度・重要度がどれくらいならどの程度の下地作りが必要なのか、というレベリングはできるのか?
普段から「相互理解が大切」と説いている柴田さんでも、答えが見つからないようでした。

聞きかじりの知識ですが、
船というものは沈没を主なリスクとして設計されているので、逃げやすい(封鎖しにくい)ように作られているようです。
加えて、通路が狭いなど、他にも疫病対策を行うには不利な条件がいっぱいだったようです。
また、陸とは違う”船乗りルール”があったり、外交ルールで政府が手出ししにくかったりと、いろいろ一般人にはわからないご苦労があったと聞いています。
 
不謹慎ですが、世が世なら、乗っていた人ごと燃やされて沈められてもおかしくない状況だったかもしれません。
第一陣の下船オペレーションが行われたそうですが、対策にあたられたみなさま、お疲れ様でした。
引き続き、問題の収束までよろしくお願いいたします。

「現実」は日々更新されていく

2章末尾には「新たな現実を作ることが最高の批判である」というコラムがあります。

社会的ということを紐解いていくと、これは私たちの日常会話に行き着きます。つまり、日常の言葉を交わす会話を通じて、私たちは現実を作り出しているのです。
だとするならば、この言葉を変えていくことによって、現実を変えることができるのではないか、というのが考えられます。それが、ナラティヴ・アプローチの哲学的な意義なのです。

本書 74P

ここでは「現実(常識、価値観)とは会話である」という定義がされていますが、
実際は実体験などを含めた包括的なものなのでは?と思います。

JUMP会で話している中でも、
「実際育児をやってみて、育児書などで散々言われていた不安や孤独、疎外感が分かった」
「リモートワークをしている人が近所にいて、『時代は進んだね!』と思った」
という話題が出ました。

実際、新型コロナウイルス(COVID-19)でリモートワークへの取り組みがちょっとだけ前進しましたし、
キャッシュレス決済や液体ミルクなど、技術はどんどん進んでいます。
tech.connehito.com

技術が進んだことで、今までになかった方法論や常識が生まれています。
普遍的な原則はあるのですが、原則と思い込んで古臭くなった価値観に縛られていると、”世間”との溝はどんどん広がっていきます。

セクハラなんて最たるものですね。
先日、幽白の舞台に行ったのですが、連載当時笑って読めていたスカートめくりやもっこりのギャグが、サムく感じて笑えませんでした。

価値観を凝り固めないためには、「いつも」のちょっと外へ飛び出す勇気が必要になる、と柴田さんはおっしゃっていました。
当事者になることが、1番強い「見えている現実を変える方法」ですが、
別の視点・視座を持つ人の話を聞いて、想像力を働かせることで、異なる立場をシミュレートすることができます。
柴田さんでも、あちこちの勉強会や本で知識をブラッシュアップさせていると聞いて、身が引き締まりました。

やっぱり観察は難しい

今回は、各々が見つけたナラティヴの溝について話すだけでも話が尽きず、時間が経ってしまいました。
実際に溝を乗り越えて成果を出した例がほとんど出て来なかったのは、それだけ難しいことなんだと思います。

キーとなる「観察」については、以前受講した「質問力」や「猛牛ライブ」でも何度も言及されていました。
okan89-blog.hatenablog.com
okan89-blog.hatenablog.com

ブログ始めたての頃の記事ゆえ、拙さに憤死しそうなのですが、
読み返すと「ああ、そんなこと言ってらしたわ。」と、記憶のそこから蘇ってきました。
繰り返し聞いてもできないし忘れているということは、それだけやれそうでやれないんですよね、観察って。(他人事)

人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない。

by ユリウス・カエサル

正しく観察するためには、まず、自分の色眼鏡を外すこと、
外すために、自身の思い込みや雑念となる感情に気づくことが大切だと、柴田さんは言っていました。
細かい違和感に「ちょっと待って」と思考を止め内省することや、状況や自分自身の心を俯瞰して見ることが、私の課題です。

うーーん、めちゃ分厚い壁だわ……

子供は親の知らないところで学んでいく

価値観に関連した話で、
「子供って、小学生になったら親の声が届きにくくなるよね。」
と、恭子さんが言っていました。

親よりも、学校の友達や好きな芸能人、本や漫画などからの方が「響く」そうです。
ちょっと寂しいことですが、それが「自分の頭で考える」ということのはじめであり、「自立」ということなんでしょうね。

身に覚えありまくり。お母さん、オタクに育ってごめんね。

「子供は他人だ」ということを弁えないと、反抗された時に苦しいし、自立を押さえ込もうとしてしまってかえって本人のためにならないんですね。

「見ててあげるから、安心して行っておいで。」と、態度で示してあげること、
態度で示すとは、
「9のできなかったことより、1のできたことに目を向けて認めてあげること(無理に褒めなくていい。「できるようになったね」でいい。)」
「半年くらいの長期的なスパンで評価すること(行きつ戻りつで進んでいくから、昨日できたことも今日は失敗するかもしれない)」
「きちんと面と向かって言葉に出すこと(言わなきゃ伝わらない)」
というポイントがあると教えてもらいました。

〜〜〜〜〜

育休でJUMP!会は、3月も行われます。
とても学びが多い場だし、育休仲間という社内では得難いつながりを得られますので、ぜひ育休中の方は参加してみてください。
課題図書は、引き続き「他者と働く」です。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者:宇田川 元一
  • 出版社/メーカー: NewsPicksパブリッシング
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本

*1:例えば、オムツ交換台が女性用トイレにしかない など

*2:記事は2/22時点では削除されているようです。